STUDY

ブラックホールから届く偏光X 線はブラックホール周囲の幾何構造を強く反映していることが分かっており、このX 線偏光の解析を行うことでブラックホールの周囲の構造決定が期待されている。そこで本研究では理論と観測の比較からブラックホール周囲の幾何構造を決定するために必要となる偏光X 線の輻射輸送計算コードを作成した。光子の移動とコンプトン散乱を交互に繰り返すことで、光子の軌道とストークスパラメータの変化を追跡し、平行平板から光子が脱出するテスト計算を実施したところ、先行研究とわずかな差異はあるものの、おおよそ再現することに成功した。